一重のバラと八重のバラ

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<ハイブリッド・スピノシッシマ>ゴールデンウィングス(一重)

バラっていうとシベが見えないくらい花びらの折り重なった八重の品種が好まれますね。
でも原種のバラは基本的に一重で花弁の枚数は5枚。
これはバラの特徴のひとつなんです。

だけど栽培されてきたバラはほとんどが八重のもの。
野生種の中からたまたま八重に変化したものを選抜してきたのでしょうね。

世界最古といわれるバラの描かれたフレスコ画があります。
エーゲ海に浮かぶクレタ島のクノッソス宮殿にそれはあります。
災害や焼き討ちなどにより大部分が失われていますが、紀元前2000年前には建てられていたと見られています。
そこには様々な花と青い鳥が描かれているそうです。
その花の中にバラが描かれているんですね。
そのバラは一重で5枚~6枚の花弁で描かれていますが、蕾などの特徴からバラと判断されています。

時代は下り、ギリシャ時代になるとバラの塗油が使われるようになり、紀元前1200年頃の記述にバラの名前が登場するようになります。
ホメロスの叙事詩にもバラを使う場面が書かれています。
そして紀元前300年頃の記述にはすでに八重のバラが登場します。
バラの香りは花弁からその成分が抽出されますから花弁が多いほうが生産性が高いために好まれるようになっていったのだと思います。
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<ガリカローズ>ロサ・ガリカ・オフィキナリス(八重)

ローマ時代以降登場するバラはほとんどが八重の品種になります。
香りの成分が重要視されるからですね。
バラの花びらで埋め尽くしたり、シャワーのように天井から降り注ぐような使われ方もしたように、花弁の枚数は重要な要素だったと考えられます。
そしてこの基本的な考え方は現代まで続いたのです。
18世紀になって中国のバラが導入されるまで自然交配のものが利用されてきました。
ナポレオンの后であったジョセフィーヌが自らの宮殿で蒐集と人工交配を始めたのが現代のバラの発展に繋がります。
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<イングリッシュローズ>キューガーデン(一重)

モダンローズが現れる頃、交配に使われたバラは8種類でした。
元々栽培されていたものに中国や日本のバラが導入され、様々な品種が作られ始めます。
新たな原種のバラも導入されますが基本的には8種のバラだけで現在のような多彩なバラは作られています。
そして今では、生産性だけではなく花姿も愛されるようになり一重の園芸品種が作出されています。

でも、一重が好まれるのはどうやら日本が中心のようです。
日本人は元々野草を愛でる傾向がありますから原種のような5枚花弁のバラにも惹かれるのでしょうね。
しかし一重のバラは何千とある品種の極わずか。
作出される量からそんなに人気はないんだろうなとわかります。

長い歴史の中で方向付けられた嗜好はなかなか変わらないものなんですね。
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<ダマスクローズ>レダ(八重)

関東では週末雨でかなり涼しくなりました。
でもそれは一時で終わり。
また残暑が戻ってきますね。
暑さに負けないようにがんばりたいと思います(^^♪
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by nen_randir | 2011-08-23 00:25 | FA100mmF2.8MACRO | Trackback | Comments(0)