塔ノ岳へ! 前編

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写真はすべてOptio750Z

2008年2月10日(日)

 この週末の天気予報は雨となっていた。
先日降った雪も山の上ではまだ残ってるだろう。
おとなしくしていようかな。
なんて週の初め頃は思っていた。
週の後半に入ると雪の予報に変わった。

金曜には日曜は1日晴れの予報に。
雪の予報は夜間のみとなっていた。

登山口近くのヤビツ峠まで行くバスに確認の電話を入れると雪でここしばらくは運休しているとのこと。
下の街から歩くと1時間以上余分にかかる。
でもいいや!
行ってしまえ!

 ちょうど日の出とともに出発するバスに乗り終点、蓑毛に着いたのは7時。
車やバイクでならヤビツ峠まで何度も行ったがここから歩くのは初めて。
指導票に従い道からそれて峠への直登ルートへ。
しばらく登ると前夜の積雪がはっきりと、次第に深くなって行った。
登山道には誰の足跡もない。
そのうち、鹿の足跡がこちらに向かって現れた。
鹿も歩きやすいのか登山道をずっと降りてきたようだ。
間違って獣道に入らないように注意しようと思ったが、丁寧に登山道を歩いてきた足跡をたどって標高を上げていく。
ふと振り返ると背後の相模湾に太陽が照りかえっていた。

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 朝の日差しがちょうど江ノ島に掛かっている。
その向こうには三浦半島。
このときは気がついていなかったが、朝の駅ホームを撮るときにISOを400にあげていたのを忘れていてしばらく高感度のまま撮影していた^_^;
画質が悪いですがご了解ください。。。。

 1時間半ほど掛かってヤビツ峠に着いた。
本来ならここまでバスで来ることが出来るがバス停は深い雪の中。
ウォーミングアップの済んだ所でお茶を飲んで軽い休憩をすることにした。
ザックから軽アイゼン(雪用のスパイクの様なもの)を出し、靴に装着し登山道へ向けて峠を下るとすぐに最初の山、三の塔が目の前に現れた。

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 これ登るの?
つい、心の中で呟いていた。
さっきまでと違い明らかに深い雪に覆われた山を見上げると正直しり込みする。
峠の手前は相模湾に面していて比較的温暖なため雪も多くはない。
しかし峠を越えると明らかに気候が変わる。
道路沿いのガードレールは所々雪に埋もれてしまっている。
雪国の人から見れば笑われてしまうかもしれないけど、関東の平地では見ることのない深さの雪だ。
でもここまで来て引き返すことは出来ないなと足を動かす。
しばらく車道を進むと登山道の入り口が見えてきた。
道路脇には車が1台止まってる。
しめた!
先行者がいる!
踏み跡があればトレイル(道)を見失う心配もなくなる。
少し気持ちが楽になり踏み跡をたどって三の塔へ向かうトレイルに入った。

 正直に書くと、積雪の雪山は初めてである。
気まぐれなハイキング気分の登山から趣味としての登山をはじめてまだ1年くらいである。
しかもまだ一度も歩いたことのないルートだ。
いつか歩こうと地図やガイドブックを何度も読んではいたけど、初めての挑戦がまさかこんな大雪になるとは思い描いてもいなかった。

まぁ来てしまったものはしかたない。
歩くしかないのですから。
ともかく何事にも初めてはあるのだから。

 先行者の踏み跡をたどりながら登るとしばらくして開けた場所に出た。
一息ついて背後を振り返るとピラミダルな大山がどっしりとした山容で構えている。

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標高1252mで、高山ではないけれど古来から信仰の山として親しまれている。
ここにはに登ったことがある。
まだあれから1年経っていないんだなぁ。
あの時は登山道にはずっと続く人の列が出来てた。
今はたった一人分の踏み跡があるだけ。
この先誰かと出会うのだろうか?
心細さがちょっとよぎった。

 雪の下がどうなってるかわからないので時折深く膝上まで足がはまることがある。
慣れていない雪のトレイルで早くも左太ももがつりそうになっている。
ストックを二本持って来ればよかったかもと後悔するがどうにもならないわけで、だましだまし登っていく。
しばらくして下山してくる人に出会った。
状況を聞くとどうやら先行者はこの人で、三の塔まで行ったが雪が深すぎてあきらめて帰ってきたとのこと。
え?
ってことは三の塔から先は誰も歩いてない?
踏み跡もない?
不安がよぎる。
かといって諦めるのは早い。
ともかく三の塔に登ろう。

 ようやく山頂が近い雰囲気になってきた。

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開けたそこには二の塔の看板。
その向こうに小屋のある三の塔の山頂が見えた。
もうすぐだ。
なだらかな鞍部(山頂と山頂の間の馬の鞍のようなへこみ部分)を超えて三の塔に着いたのは10時半近かった。

途中で気がついたけど、後ろに一人上ってくる人がいた。
休憩しているとその人が到着。
しばらくするともう一人。
気がつかなかったけど後ろに何人か登って来ていたらしい。
休憩している間に結局4人ほど登ってきた。

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三の塔からはこれから進むつもりでいる尾根道が先々まで見渡せる。
写真の左側、一段と高く見えるのが目的地の塔ノ岳。
ここまでだいぶ歩いてきたつもりだがまだまだ先は長い。

 ふと小腹が空いてることに気がつき小屋に入って一旦ザックをおろしておにぎりをひとつ食べた。
表に出ると塔ノ岳の左側に富士山が見える。

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富士山の神様、木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)は安産、子育ての神だと言う。
僕を育ててください。
この先、塔ノ岳まで行く力を育ててください。
そっと心の中で呟いてみた。
木花咲耶姫が答えてくれたのか、何とかなるさと漠然とした気持ちになってきたとき後続の若い男性が声を掛けてきた。
若いと言っても僕と同年代くらいに見える。30代半ばだろうか。
僕よりは経験豊富そうなその男性も先週別ルートで敗退して今回もヤバそうだと言う。
それでも行けるところまで行ってエスケープルートを降りるつもりだと言うので僕はとりあえず後を着いて行くことにした。

序章は終わった。
ここからが本番。

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なんだか物語り調に書いていたらやたらと長くなってしまいました^_^;
お付き合いありがとうございます。
ここで後編に続きます。

前回樹氷の様子はこちら
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中編はこちらから
後編はこちらから
by nen_randir | 2008-02-11 23:50 | Trekking